一途な副社長は寵愛する彼女に愛を注ぐ
その帰りの新幹線で、麗が神楽副社長の名刺を微笑みながら抱きしめるのを俺は見た。

やっぱり。
知り合いだったか。

どういう事だ?
いつ知り合ったんだ?

何で、隠すんだ?

俺はその時はあまり気にせず、寝る事にした。




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東京に引っ越しもして、やっと少し落ち着いた。
麗は、やっぱりあのパーティーで神楽副社長を見つけてから様子がおかしい。

時折、思い詰めた顔をして、名刺を見てる。

あれ、完全に恋する女の顔だよな?

ったくよ。

気になって、俺も仕事になんねーよ。

麗に聞いても、相変わらずダンマリだしな。


そう思った俺は、もう直接神楽副社長に聞く事にした。
たぶん、あの人はそこら辺の男とは違う。
麗をちゃんと見てくれる気がする。

そう思った。
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