冷たい夜に、愛が降る
……御田くんだって、私の本音を知ったら、助けたことを後悔するだろう。
それなら、さっさと嫌われて、私の前からいなくなってくれた方がいい。
『恋白のことは好きだけどさ……時々、ちょっと重いっていうか…』
また、あのセリフが耳の奥で響く。
もう、あの頃みたいに、同じ間違いはしたくない。
「……自分の意思で、ついて行ったの」
「どうして?」
私のセリフを聞いても、穏やかな口調を変えない御田くん。
まるで、そんな答えが返ってくるのを予想していたみたいだ。
「どうしてって……御田くんにはわかんないよ」
御田くんも、家族のことで色々大変な思いをしているのはよくわかった。
でも、芸能人になって今大成功して稼げている御田くんには、この汚れた感情は理解できないと思う。
軽蔑されるに決まっている。
「お金?」
彼のその声に、視線を上げて、あからさまに反応してしまった。
「……っ」
なんで……。
理解できるわけないと思ったのに。
どうして、当てちゃうの。
恥ずかしい。
お金のために、あんな人たちに自らついていってしまったなんて。
御田くんと話せるようになったのが嬉しかった分、あんなところを見られたのが耐えられらない。
「……帰ります」
小さく呟いて、立ち上がって彼から背を向けて、歩き出そうとした瞬間。
「それなら、俺が、香山さんを雇うけど」
耳を疑うセリフが聞こえた。