繊細な早坂さんは楽しむことを知らない
「いいですよー。地元じゃ、宮原神社は恋愛の聖地ですからね。って、私は好きな人と行けたから、本当はもうどんな男の人ともご縁がなくてもいいかなって思ってるんですけど」
「好きな人、いるの?」
「死んじゃったんですけどね」
それって、平宮だろうか。あっけらかんと言うが、瞳の奥がさみしそうだ。
「やだな。心配そうな顔しないでくださいよー。好きな人って言っても、尊敬できるって感じなだけですから」
「宮原神社の神様って、ご縁をくださるんだよね?」
そんなこと、本当に信じてるわけじゃないけど、温美にいいご縁を神様が用意してくれるんじゃないかと信じたくなって、そう言う。
「うん、そう。生まれ変わったら、兄妹はやめてくださいってお願いしたの」
にへら、と笑う彼女はやはり、平宮を兄以上の想いで見ていたのかもしれない。どうあっても現世では叶わない恋に、彼女もきちんと折り合いをつけているから、それが口に出せるのだろう。
「そっか。また出会えるといいですね」
「宮原の神様は絶対叶えてくれるって信じてるんです。こんなこと言うと、子どもだなって笑われちゃいますよね」
「私は笑わないです」
真顔で言ったら、「うん、そう思う」と、温美は照れ臭そうにした。
カットを終えると、次はメイクに取り掛かる。ラメの入ったブラウンのアイシャドウに、ひかえめなピンクのルージュ。それに合わせて、ピンクベージュのネイルをして、いつもよりほんの少しだけ、おしゃれをした自分が鏡に映る。
「好きな人、いるの?」
「死んじゃったんですけどね」
それって、平宮だろうか。あっけらかんと言うが、瞳の奥がさみしそうだ。
「やだな。心配そうな顔しないでくださいよー。好きな人って言っても、尊敬できるって感じなだけですから」
「宮原神社の神様って、ご縁をくださるんだよね?」
そんなこと、本当に信じてるわけじゃないけど、温美にいいご縁を神様が用意してくれるんじゃないかと信じたくなって、そう言う。
「うん、そう。生まれ変わったら、兄妹はやめてくださいってお願いしたの」
にへら、と笑う彼女はやはり、平宮を兄以上の想いで見ていたのかもしれない。どうあっても現世では叶わない恋に、彼女もきちんと折り合いをつけているから、それが口に出せるのだろう。
「そっか。また出会えるといいですね」
「宮原の神様は絶対叶えてくれるって信じてるんです。こんなこと言うと、子どもだなって笑われちゃいますよね」
「私は笑わないです」
真顔で言ったら、「うん、そう思う」と、温美は照れ臭そうにした。
カットを終えると、次はメイクに取り掛かる。ラメの入ったブラウンのアイシャドウに、ひかえめなピンクのルージュ。それに合わせて、ピンクベージュのネイルをして、いつもよりほんの少しだけ、おしゃれをした自分が鏡に映る。