繊細な早坂さんは楽しむことを知らない
「2、3日前みたいです。倒して壊したみたいなんですけど、直りそうですか?」
奈江の話にあいづちを打ちながら耳を傾ける青年は、電球を取り外すと、ふたたび、シェードの中をのぞき込む。
「倒したのはあんまり関係ないかもね。ソケットが原因な気がするよ。もうずいぶん変えてない?」
そうなのか、と拍子抜けする奈江は、思っていたよりすぐに直りそうだ、と胸をなでおろす。
「買ってから、電球以外は一度も変えてないと思います」
「じゃあ、寿命かもしれないね。きっとソケットだろうけど、ほかのところもきちんと確認するから、お預かりしていいかな?」
「どのくらいかかりそうですか?」
「1時間もあれば。ここに、名前と連絡取れる電話番号だけ書いてもらっていい?」
預かり証と書かれた用紙とボールペンを渡される。フルネームと携帯番号を書き込むと、青年は「早坂さんね」と言い、早速、作業台の椅子に腰かけた。
「修理が終わったら連絡入れるよ」
「ここで待っててもいいですか?」
そう尋ねると、青年は不思議そうな顔をする。
「いいけど、退屈するなら出てもらってかまわないよ」
「待つのは気にならないんです」
何もしない時間が、奈江はわりと好きだ。けれど、スポーツマン風の彼には、何もせずにじっとしているなんておかしく思えたのだろう。あきれたような表情をしつつ、入り口の方を指差す。
「そこにある椅子に座ってていいよ」
奈江の話にあいづちを打ちながら耳を傾ける青年は、電球を取り外すと、ふたたび、シェードの中をのぞき込む。
「倒したのはあんまり関係ないかもね。ソケットが原因な気がするよ。もうずいぶん変えてない?」
そうなのか、と拍子抜けする奈江は、思っていたよりすぐに直りそうだ、と胸をなでおろす。
「買ってから、電球以外は一度も変えてないと思います」
「じゃあ、寿命かもしれないね。きっとソケットだろうけど、ほかのところもきちんと確認するから、お預かりしていいかな?」
「どのくらいかかりそうですか?」
「1時間もあれば。ここに、名前と連絡取れる電話番号だけ書いてもらっていい?」
預かり証と書かれた用紙とボールペンを渡される。フルネームと携帯番号を書き込むと、青年は「早坂さんね」と言い、早速、作業台の椅子に腰かけた。
「修理が終わったら連絡入れるよ」
「ここで待っててもいいですか?」
そう尋ねると、青年は不思議そうな顔をする。
「いいけど、退屈するなら出てもらってかまわないよ」
「待つのは気にならないんです」
何もしない時間が、奈江はわりと好きだ。けれど、スポーツマン風の彼には、何もせずにじっとしているなんておかしく思えたのだろう。あきれたような表情をしつつ、入り口の方を指差す。
「そこにある椅子に座ってていいよ」