望まれない花嫁に愛満ちる初恋婚~財閥御曹司は想い続けた令嬢をもう離さない~
その頃には疎遠になっていたから、思いがけない遭遇だったが、留学が決まっていた彼に幼い頃からの感謝の気持ちと、応援の言葉を送ることができた。
別れを告げる機会はないと思っていたから、嬉しかった。
史輝に笑顔はなかったから、彼にとっては面倒な時間だったのかもしれないが。
それからすぐに彼は留学し、数年後に帰国してからも一切関わらずに今日まできた。
「史輝くん、お待たせしたね」
伯父が気遣いの声をかける。
「史輝、久しぶりですね」
伯母は次期総帥の前でも尊大だ。美紅は伯父に合わせて深く頭を下げた。
「突然の訪問、申し訳ありません」
記憶よりも低い声が耳に届く。彼の声をこうして間近で聞くのは、十年ぶりくらいだ。
「とんでもない。縁談の件で、なにか急ぎの用があったのかな?」
伯父の問いに、史輝が頷いた。
それから美紅に視線を向ける。
真っ直ぐ見つめられて美紅の心臓が大きく跳ねた。
緊張で体が震えそうになる。彼はそんな美紅を見ても一切表情を変えず伯父に視線を戻した。
「急だが、美紅には明日中に本家に入って貰いたい」
別れを告げる機会はないと思っていたから、嬉しかった。
史輝に笑顔はなかったから、彼にとっては面倒な時間だったのかもしれないが。
それからすぐに彼は留学し、数年後に帰国してからも一切関わらずに今日まできた。
「史輝くん、お待たせしたね」
伯父が気遣いの声をかける。
「史輝、久しぶりですね」
伯母は次期総帥の前でも尊大だ。美紅は伯父に合わせて深く頭を下げた。
「突然の訪問、申し訳ありません」
記憶よりも低い声が耳に届く。彼の声をこうして間近で聞くのは、十年ぶりくらいだ。
「とんでもない。縁談の件で、なにか急ぎの用があったのかな?」
伯父の問いに、史輝が頷いた。
それから美紅に視線を向ける。
真っ直ぐ見つめられて美紅の心臓が大きく跳ねた。
緊張で体が震えそうになる。彼はそんな美紅を見ても一切表情を変えず伯父に視線を戻した。
「急だが、美紅には明日中に本家に入って貰いたい」