夏に咲く君に、きっと恋する【完】
 「実は日和の良くない噂話を耳にしたんだ。日和の耳には、決して届いてほしくなかった。もう届いてしまっている…のかもわからないが。

 俺には何故、言葉という、繊細で大切なものを凶器として人に振りかざすことができるのかがわからない。内容は伏せるが、憶測で物を言っていることはわかる。悔しい。日和の事は何があっても俺がどうにかする。

 俺が、ちゃんと守るから、安心してくれ、申し訳無い」

 私はその言葉に、謝罪に拍子抜けした。と同時に、

 ーー俺が守る、その言葉に口元が緩んでしまうところだった。様々な動揺を隠しながら私は彼に伝えた。
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