本日、初恋の幼なじみと初夜を迎えます。~国際弁護士は滾る熱情で生真面目妻を陥落させる~
今度の来客も予定通り副支配人だった。部下ひとりと地元警官ふたりを引き連れてやって来た。
事情聴取は時間がかかるだろうと覚悟していたけれど、動画の提出と私の証言だけですんなりと終了する。
警察官が帰って行った後、副支配人は深々と腰を折って謝罪した。
私を襲ったふたり組は警察に連行され、今後一切このホテルや併設してある施設への立ち入りも禁じたそうだ。心底ほっとした。
すべての話が終わった後、副支配人がこの件のお詫びにと、別の部屋を用意してくれるという。悪いのはあの男たちであってホテルではない。そう言って断ったが、副支配人は引かなかった。
『この部屋は私達だけでなく警官まで入りましたので、事件のことを思い出してしまうことでしょう。せっかく当ホテルへお泊りいただいたのに、不快な記憶で終わってほしくないのです。荷物の移動は当方でいたしますので、ぜひ』
柔らかく丁寧な口調ながらも、押しは強い。どうしようかと逡巡していると、それまで黙っていたお兄ちゃんが口を開く。
「香ちゃん、せっかくのご厚意だ。ここは素直に受け取ったらいいんじゃないか?」
お兄ちゃんからの後押しに、副支配人に向かって『わかりました』と返した。
事情聴取は時間がかかるだろうと覚悟していたけれど、動画の提出と私の証言だけですんなりと終了する。
警察官が帰って行った後、副支配人は深々と腰を折って謝罪した。
私を襲ったふたり組は警察に連行され、今後一切このホテルや併設してある施設への立ち入りも禁じたそうだ。心底ほっとした。
すべての話が終わった後、副支配人がこの件のお詫びにと、別の部屋を用意してくれるという。悪いのはあの男たちであってホテルではない。そう言って断ったが、副支配人は引かなかった。
『この部屋は私達だけでなく警官まで入りましたので、事件のことを思い出してしまうことでしょう。せっかく当ホテルへお泊りいただいたのに、不快な記憶で終わってほしくないのです。荷物の移動は当方でいたしますので、ぜひ』
柔らかく丁寧な口調ながらも、押しは強い。どうしようかと逡巡していると、それまで黙っていたお兄ちゃんが口を開く。
「香ちゃん、せっかくのご厚意だ。ここは素直に受け取ったらいいんじゃないか?」
お兄ちゃんからの後押しに、副支配人に向かって『わかりました』と返した。