君のブレスが切れるまで外伝―on a rainyday remember love―
 私がそう言っても中々折れなかった総一朗だったが、押し問答を続けている内にようやく諦めてくれる。
 ここで待っててください、と告げられると止まる場所を探すために、車は私の元から離れていった。


「面倒をかけてごめんなさい」


 待っているとは言ったが、ここで待っているとは言っていない。待っててくださいと言われて、頷いた覚えもない。だから、嘘を言ってはない。
 子どもの浅知恵ではあるが、私はその場所から離れる。見つかるのは時間の問題だけど、その間に事を済ませればいい。


「はぁ……はぁ……」


< 12 / 71 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop