君のブレスが切れるまで―on a rainyday remember love―
「総一朗、あの子のことについての情報は?」
『残念ながら滞っております。いかんせん、この国では珍しい名前ではなく同姓同名の人物が多く存在しておりますゆえ、見つけられるかどうかは……』


 当たり前だ。名前しか情報がないのに彼はよくやってくれている。様々なところに顔が利く総一朗でも難しいとなると、海外にいる私ではお手上げだ。


「私も日本へ帰るわ」
『こちらへお戻りになる? しかし、旦那様たちは――』
「彼らは既に眼の研究から外れてる。進歩のない研究ほど無駄な時間はない、私から何もサンプルも取れないとなると、もういる意味なんてないのでしょうね」


 それは研究材料として、そして子としても――


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