契約結婚、またの名を執愛~身も心も愛し尽くされました~
「うん。精一杯威嚇していて、可愛かった。それに凛としていて素敵だったよ」
「お世辞はやめてください……! お願いですから、なかったことに……!」
「しないよ。たぶん、一生覚えている」

 とんでもない宣言をされ、愕然とした。
 何の嫌がらせだ。先ほど女性たちに脅された時よりも絶望的な気分になる。
 希実がアワアワしている間に、手を引かれて到着したのは、ひと気のない会議室だった。

「僕の奥さんは、愛らしくて強さもある。本当に君を選んで正解だった」
「な、何を……」
「惚れ直したよ」
「……っ?」

 聞き間違いか幻聴か。
 言われた意味が理解できず、希実は忙しく瞬いた。

 ――これは……『言い負かされずによくやった』的な誉め言葉の一種かな……?

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