契約結婚、またの名を執愛~身も心も愛し尽くされました~
 それ以外、思いつかない。
 混乱のあまり無反応になった希実は、しばし機能停止してしまった。

「……返事を聞かせてくれないか? 僕は君が好きだと告白しているんだけど」
「はいっ?」

 しかしポケッとしていたところへ、爆弾を落とされた。
 今の東雲の発言は、聞き間違いでも幻聴でもない。誤解の余地もない、シンプルな告白だった。

「え、す、好き……? わ、私を……?」
「そうだよ。本当はもう少し時間をかけて希実の気持ちが僕に傾いてから言おうと思っていたけど、あまりにもさっきの君が魅力的だったから、想いが抑えきれなくなった。グズグズして希実が誰かに盗られては、一生後悔するしね」

 その言い方だと、思い付きやその場のノリで軽く口にしたのではなさそうだ。
 溢れんばかりの想いの片鱗が見え隠れし、ジワジワと希実の頬が熱を持った。

「急に何を……」
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