契約結婚、またの名を執愛~身も心も愛し尽くされました~
「急じゃない。僕の中では一日でも早く伝えたかった。君と地下倉庫で話した日から、どんどん惹かれていったんだ。……いや、本当はその前から気になる存在だったのを認めていなかっただけなんだろうね」

 理解が追い付かず、希実の頭は大混乱していた。
 彼の言葉は理解できている。けれど上手く噛み砕けない。
 そんな馬鹿な、あり得ないと言う気持ちが勝って、受け止めるところまで辿り着けなかった。

「え、え? 私のどこに……これと言って特技も長所もない女ですよ?」
「思慮深く努力家で、冷静な判断力がある優しい人だ。何よりも可愛い。純粋で表情豊か。好きならない方が難しいと思う」

 大絶賛され、とても自分のことを言われているとは思えなかった。
 両親ですら、ここまで希実のことを褒めてくれたことはない。
 じっとこちらを見つめてくる男の眼差しは真剣で、本心が感じられた。

「そ、そんな私なんかを東雲さんが……」
「禁止ワードを口にしたね」
「あ」

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