契約結婚、またの名を執愛~身も心も愛し尽くされました~
 うなじを長い指になぞられる。
 その掻痒感に気を取られている間に眼鏡は奪われ、そっと唇が重なった。
 人生二度目のキス。相変わらず希実に余裕は欠片もない。
 けれど初めての時よりずっと、分かち合う熱や感触を味わうことはできた。
 吐息が絡み、後頭部に添えられていた手が撫で下ろされる。
 もう片方の東雲の手は、希実の腰を引き寄せていた。
 互いの胸同士が重なって、心臓の激しい鼓動が響いてくる。
 自分だけでなく彼の身体も火照っているのが伝わり、甘苦しさが増した。

 ――クラクラして、気持ちいい……

 唇をなぞる舌先の動きに逆らえない。
 力が抜けて、希実の顎が緩む。すると歯列の狭間へ東雲の舌が侵入してきた。

「……っふ」

 粘膜を搦められ、愉悦が生まれる。
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