契約結婚、またの名を執愛~身も心も愛し尽くされました~
 自力で立っているのが難しく、しなだれかかる。膝が震えて、今にも座り込んでしまいそう。
 力強く支えてくれる腕に甘え、包み込まれる。
 彼のスーツから香る匂いに、陶然とした。

「ん……は……」

 自分の声とは思えない卑猥な声音が漏れ、希実は懸命に理性を立て直そうとした。
 職場で何をしているんだと己を叱る。
 だがそれ以上に東雲が醸し出す色香に、酔わされていた。

「……ここが会社であることが、残念だ」

 もし会社でなかったのなら、どうするつもりだったのか。
 答えは、意味深に彼の手が希実の身体をなぞったことが、全てだった。

「……ッ、ん」

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