契約結婚、またの名を執愛~身も心も愛し尽くされました~
「シャワーを浴びてくる。部屋で待っていて」

 ……そこからのことは、正直あまり記憶にない。
 荒ぶる心音が煩くて、緊張やら不安やらで情緒が乱高下した。
 寝室で一人ベッドに座り、どれくらい時間が経ったのか。
 おそらくさほど長いものではない。けれど永遠にも感じられた。
 濡れ髪を乱雑にタオルで拭きながらやってきた東雲の様子に逸る気持ちが垣間見え、胸がときめいたのは覚えている。
 そんなにも自分を求めてくれたのかと、見知らぬ愉悦が膨らんだ。
 焦げ付く眼差しに射抜かれて、上手く息ができない。
 彼が隣に座った時には、本気で心臓が破裂するかと思った。

「……抱きしめても?」

 少ない言葉に、隠しようもない劣情が潜んでいる。
 真っ赤になった希実が頷けば、男の胸に抱き寄せられた。

「……っ」

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