契約結婚、またの名を執愛~身も心も愛し尽くされました~
 よほど慌ててシャワーを終えたのか、Tシャツ越しに湿り気を感じる。それでも発熱した彼の身体は、驚くほど熱かった。

「……っ、ぁ、あの……私……その、初めて、で……」
「大切にする」

 耳に拭きかかる呼気が喜悦を呼ぶ。
 末端まで、むず痒さが走っていった。
 自分の手をどこへ置けばいいのかも分からない希実へ、東雲が何度もキスをしてくれる。
 顔中に降る口づけの雨は、唇が触れる度にこちらの強張りを解いてくれた。

「ふ、ぁ……っ」

 いつ押し倒されたのかは判然としない。
 ハッとした時にはもう、希実の背中はベッドに受け止められ、覆い被さる彼の向こうに天井が見えた。

「もし僕が希実の気に入らないことをしたら、すぐに教えてくれ」

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