契約結婚、またの名を執愛~身も心も愛し尽くされました~
拗ねているのではなく、本心から物欲は乏しい。
それに結局美容院の代金も受け取ってもらえなかった。
「希実はもっと我が儘になっていいと思うよ。強請ってくれたら、僕は喜んで君のためにバッグでもジュエリーでも散財するのに」
「私、ブランドには興味がないんです。それに欲しいものは自分で頑張って手に入れるから価値があるのだと思います」
手が届かないなら、身の丈に合わないということ。それが希実の考え方だった。
ただし努力してどうにかなるなら、背伸びするのも厭わない。
両親に反対されても進学と都会での就職と一人暮らしを選んだのは、そういう考え方に基づいている。
譲れない点は希実にもあるのだ。
「君は格好いい一面も持っているね。知れば知るほど新しい魅力が見つかる」
クスクスと笑いを堪える東雲の言葉は、揶揄われているのかどうか微妙だった。
怒っていないといいつつも希実が唇を引き結ぶと、彼が艶めいた仕草で頭を撫でてくる。
それが擽ったさとトキメキを呼び、反射的に喉奥が卑猥な音を立てた。
それに結局美容院の代金も受け取ってもらえなかった。
「希実はもっと我が儘になっていいと思うよ。強請ってくれたら、僕は喜んで君のためにバッグでもジュエリーでも散財するのに」
「私、ブランドには興味がないんです。それに欲しいものは自分で頑張って手に入れるから価値があるのだと思います」
手が届かないなら、身の丈に合わないということ。それが希実の考え方だった。
ただし努力してどうにかなるなら、背伸びするのも厭わない。
両親に反対されても進学と都会での就職と一人暮らしを選んだのは、そういう考え方に基づいている。
譲れない点は希実にもあるのだ。
「君は格好いい一面も持っているね。知れば知るほど新しい魅力が見つかる」
クスクスと笑いを堪える東雲の言葉は、揶揄われているのかどうか微妙だった。
怒っていないといいつつも希実が唇を引き結ぶと、彼が艶めいた仕草で頭を撫でてくる。
それが擽ったさとトキメキを呼び、反射的に喉奥が卑猥な音を立てた。