契約結婚、またの名を執愛~身も心も愛し尽くされました~
 最新のコスメと限定スイーツまで。
 部屋着と下着も見繕い、もはやいくつ購入したのかも分からない。
 値段に関しては更に謎だ。
 というのも、値札はどれも隠され、希実には見えないようにされていた。
 だが触り心地や拘りのあるデザイン、店構えから考えて、プチプラのはずがない。
 しかもある店で試着の途中、接客をしてくれたスタッフに「素敵な旦那様ですね。奥様に夢中なのが伝わってきます」と小声で言われ、赤面したのはご愛敬である。

「購入したものは、全部配送でお願いします」

 東雲は今回も希実に支払いをさせる気はないらしく、試着室から出た時には清算が終わっていた。
 恐る恐る希実は彼に総額を訊ねたけれど、返されたのは笑顔だけ。
 それどころか「必要経費だ。それでもお礼をしてくれるつもりなら、今夜ベッドでお願いしようかな」と囁かれた。

「……! な、なんてことを言うんですか。もし人に聞かれたら……!」
「仲のいい夫婦だと思われるだけじゃないか? 新婚なら、こんなものだろう」

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