契約結婚、またの名を執愛~身も心も愛し尽くされました~
「東雲さんこそ……お仕事、無理に休んだのではありませんか?」
「心配してくれてありがとう。でも希実よりも優先することは、他にないから安心して」
夜でも人が減らない街は、昼間とは違う煌びやかな顔をしている。
これまでなら足早に通過するだけで、自分がこの場に溶け込んでいるとは到底思えなかった。
けれど僅か半日の出来事のおかげで、ほんのり何かが変化した気がする。
普段より顔を上げて歩く都会の夜は、純粋に華やかで綺麗だと思えた。
「……それなら、どこかで買って帰りますか? マンションでゆっくり過ごすのも悪くありません」
今日をまだ終わらせたくない気持ちと、傾き続ける心に尻込みする弱気さ。それから冗談に過ぎなくても、『礼をしてくれるつもりなら、今夜ベッドで』の台詞への仄かな期待。
全部が入り交じって、希実は東雲の服の裾を掴んだ。
彼の瞳が色香を滲ませてこちらを見る。
揺らぐ劣情の焔に、希実の体内も灯が点った。
「心配してくれてありがとう。でも希実よりも優先することは、他にないから安心して」
夜でも人が減らない街は、昼間とは違う煌びやかな顔をしている。
これまでなら足早に通過するだけで、自分がこの場に溶け込んでいるとは到底思えなかった。
けれど僅か半日の出来事のおかげで、ほんのり何かが変化した気がする。
普段より顔を上げて歩く都会の夜は、純粋に華やかで綺麗だと思えた。
「……それなら、どこかで買って帰りますか? マンションでゆっくり過ごすのも悪くありません」
今日をまだ終わらせたくない気持ちと、傾き続ける心に尻込みする弱気さ。それから冗談に過ぎなくても、『礼をしてくれるつもりなら、今夜ベッドで』の台詞への仄かな期待。
全部が入り交じって、希実は東雲の服の裾を掴んだ。
彼の瞳が色香を滲ませてこちらを見る。
揺らぐ劣情の焔に、希実の体内も灯が点った。