契約結婚、またの名を執愛~身も心も愛し尽くされました~
「後日、改めて今回の件に関して通達します」

 それだけ言うと、彼は希実の腰を抱いて歩き出した。
 花蓮を置き去りにして倉庫を後にする。足取りには迷う素振りは微塵もない。
 希実が閉じた扉を振り返ろうとすると、やんわりと背中を押された。

「あ、あの……あんなことを言って大丈夫ですか? 飯尾さんは常務のお嬢様ですし、社長にも可愛がられているんじゃ……」
「心配ない。後は全て僕が片づける。それより、希実の格好良さに惚れ直した」
「こ、こんな時に何を……!」
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