契約結婚、またの名を執愛~身も心も愛し尽くされました~

 微笑む東雲の瞳には、うっとりとした熱が宿っている。視線は、希実にのみ注がれていた。

「優しい君が僕のために戦ってくれたんだと思うと、愛しくて堪らない」
「ぁ……」

 希実に花蓮へ真っ向勝負を挑ませた一番の理由は、彼を侮辱されたからだ。
 そのことを理解してくれている東雲に、胸が締め付けられた。

 ――こんなにも私を分かってくれている人が、他にいる……? 世界中探しても、東雲さん以外いないわ……

「帰ろう。僕らの家に」
「……はい!」

 込み上げる涙を笑顔で散らす。
 もう希実の頭の中から、花蓮のことは遠くへ追いやられていた。
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