契約結婚、またの名を執愛~身も心も愛し尽くされました~
 だからこそ、これから先長い時間をかけて理解を深められると思うと、たとえようもない歓喜に包まれた。
 他人だった二人が結婚によって家族になる。
 並んで歩き始めたばかりの自分たちは、この先様々な悩みや問題にぶつかるに違いなかった。
 けれどその度に、きっと今日のことを思い出す。
 心が本当の意味で重なったと実感できた、記念日同然だった。

「……疑いません。東雲さんが私を想ってくれているのは、ちゃんと伝わってきました」
「信じるよ。希実が僕を信じてくれたみたいに」

 幾度も軽いキスを繰り返し、やがて深く口づける。
 舌を絡ませ相手の口腔を味わって、夢中で唾液を混ぜ合った。
 淫らな水音が玄関に響く。もどかしく靴を脱ぎ捨てると、希実は彼に抱き上げられた。

「きゃ……っ」
「信じるから――一緒にシャワーを浴びようか?」
「な、何でそんな話になるんですかっ?」
「希実は汗を流したい。僕は君と少しも離れたくない。だったらこのままシャワーを浴びれば全部解決だ」

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