契約結婚、またの名を執愛~身も心も愛し尽くされました~
 眦をなぞる指先が優しい。それでいて、甘噛みし隙あらば希実の肌にマーキングしてくるところは、容赦がなかった。

「や……噛んでは駄目です……!」
「いっそ食べてしまいたいけど、希実に痛い思いも怪我もさせないよ」

 だからといって安心もできないのだが、肋骨を辿る彼の手に、意識が持っていかれた。

「ぁ……ッ」

 湯の助けを借りて、いつもよりも滑らかに撫で摩られる。
 これまでとは異なる感触が、こそばゆくて心地いい。
 希実が小さく艶声を漏らせば、東雲が指先でこちらの脇腹につぅっと線を描いた。

「ひゃ……っ」

 ゾワゾワとした悦楽が脳天へ駆け抜ける。
 淫らで刺激的なのに、まだ快楽の源泉になる部分には触れられてもいなかった。
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