契約結婚、またの名を執愛~身も心も愛し尽くされました~
 両脚から力が抜けかけ、危うくしゃがみ込みそうになる。
 くずおれず済んだのは、東雲が希実をバスタブの縁に座らせてくれたからだった。

「そんな涙目で見つめられたら、あまり意地悪できなくなる」

 未熟な希実を労わる頬擦りとキスが、安心感を与えてくれた。興奮は変わらず高まるばかりなのに、不安は拭い去られる。
 同じ温度になった体温を分かち合い、再び素肌を重ねれば、身体の奥が蕩けるのを感じた。

「……少しだけ脚を開ける?」

 恥ずかしくて躊躇う気持ちは燻っていても、彼の希望をかなえたい気持ちの方が強かった。
 希実が開いた膝の狭間に、東雲の手が忍び込んでくる。
 彼にだけ許した場所を優しい手つきでなぞられると、一層愛蜜が滴った。

「んん……っ」

 シャワーの水音が下肢から奏でられる淫音を隠し、代わりに東雲の声と息遣いが鮮明になる。
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