契約結婚、またの名を執愛~身も心も愛し尽くされました~
 隘路を探られる度に、希実は身体をヒクつかせた。
 気持ちがよくて幸せで、心安らげる居場所はここ以外にない。
 彼の腕の中にいると、辛いことも悲しいことも全部些末なことに思えてくる。
 少し前まではそれがさながら依存のようで怖かったが――今は欠片も取りこぼしたくないと感じた。

「もっと僕を欲しがって、希実。我が儘になって僕を振り回して――」
「あ……ぁ……ッ」

 貪欲になっていいと、東雲が言ってくれるから。遠慮せず、いくらでも望んでいいと伝えてくれるから。
 体内に入ってくる彼の一部を締め付けて、希実は東雲がくれる喜悦を素直に甘受した。

「好き……っ、東雲さん……!」
「愛している、希実」

 繋がってキスをして、特別な相手にだけ許される距離感で微笑み合った。
 彼の逞しい腕に支えられ、不安定さは全くない。
 ともに律動を刻みながら、ひたすらに言葉と身体で愛情を交わした。
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