契約結婚、またの名を執愛~身も心も愛し尽くされました~
離れていた時間を取り戻すため、煩わしいことは全部忘れて。
愛する人の全てを己の中へ刻み付けるために。
「え……飯尾さん、会社を辞めたんですか?」
あの騒動の後、再び欠勤を続けていた花蓮は異動の内示が出たが、最終的に有休を消化し終えた時点で退職になったらしい。
だが机の片づけは勿論、引継ぎなどもしていない。
希実にしてみれば、揉めてから一切顔を合わせていなかった。
「んん、表向き自己都合の退職ですけど……実際は、ねぇ?」
花蓮の後任として異動してきて、最近一緒にランチをすることが多い同僚女性は、言い難そうに小首を傾げた。
場所は会社近くのファーストフード店。言外に、あの日の件が原因だと匂わされた。
愛する人の全てを己の中へ刻み付けるために。
「え……飯尾さん、会社を辞めたんですか?」
あの騒動の後、再び欠勤を続けていた花蓮は異動の内示が出たが、最終的に有休を消化し終えた時点で退職になったらしい。
だが机の片づけは勿論、引継ぎなどもしていない。
希実にしてみれば、揉めてから一切顔を合わせていなかった。
「んん、表向き自己都合の退職ですけど……実際は、ねぇ?」
花蓮の後任として異動してきて、最近一緒にランチをすることが多い同僚女性は、言い難そうに小首を傾げた。
場所は会社近くのファーストフード店。言外に、あの日の件が原因だと匂わされた。