契約結婚、またの名を執愛~身も心も愛し尽くされました~
「まぁ、あの場には社外の人間もいたので、完全に揉み消すのは常務でも無理だったということですよね。一応は留学という名目みたいですよ。実際のところは――あくまでも噂ですが、僻地へ謹慎だとか厳しいお家へ嫁がされたとか……とにかくあの日以降飯尾さんの姿を見た方は誰もいないそうです」
「そ、そんなことになっていたんですか?」
唖然として二の句が継げない。
十中八九、東雲が何か手を回したのではなないだろうか。
おそらく彼に聞いても笑顔でごまかされそうだけれど。
「こう言っては何ですが、皆ホッとしているんじゃないですかね。営業事務の方々は飯尾さんに少なからず迷惑を被っていたと聞きました。私も前任者と顔も合わせられず不安でしたが、引継ぎなしで業務に支障がないって、皮肉ですよねぇ」
彼女の言う通りで、申し訳なさが募る。
しかも花蓮とは比べ物にならないくらい仕事ができて性格がいい人物が配属され、希実も内心喜んでいたのだ。
職場で初めて、仲良くなれそうな人に出会えて。
「……色々面倒をかけてすみません」
「そ、そんなことになっていたんですか?」
唖然として二の句が継げない。
十中八九、東雲が何か手を回したのではなないだろうか。
おそらく彼に聞いても笑顔でごまかされそうだけれど。
「こう言っては何ですが、皆ホッとしているんじゃないですかね。営業事務の方々は飯尾さんに少なからず迷惑を被っていたと聞きました。私も前任者と顔も合わせられず不安でしたが、引継ぎなしで業務に支障がないって、皮肉ですよねぇ」
彼女の言う通りで、申し訳なさが募る。
しかも花蓮とは比べ物にならないくらい仕事ができて性格がいい人物が配属され、希実も内心喜んでいたのだ。
職場で初めて、仲良くなれそうな人に出会えて。
「……色々面倒をかけてすみません」