契約結婚、またの名を執愛~身も心も愛し尽くされました~
――そう考えると、三年は妥当?
「ただし延長は大歓迎です。都度、話し合いましょう。ちなみに報酬は――」
「ほ、報酬はいりません。私も実は助かる部分があるんです」
「え?」
初めて東雲が動揺を滲ませた。
芸術品めいた男の顔が戸惑いに固まるのは、新鮮な光景だ。
どんな表情でも様になるなと思いながら、希実は大きく頷いた。
「はい。ただ、仕事は続けたいです。それから安斎さんと別れた後、一人で暮らしていけるよう別の就職先を手配していただければ……」
「佐藤さんの人生の一時を買わせていただくのですから、相応の礼はしますよ。貴女が望むなら、不動産や株だって存分に――」
「分不相応なものは結構です。それに申し上げた通り、私にも利益と打算があるんです。ですから過分な対価は必要ありません」
「……随分、無欲なんですね」
訝しげに彼が双眸を細める。その瞳には、希実の真意を窺う色があった。
「ただし延長は大歓迎です。都度、話し合いましょう。ちなみに報酬は――」
「ほ、報酬はいりません。私も実は助かる部分があるんです」
「え?」
初めて東雲が動揺を滲ませた。
芸術品めいた男の顔が戸惑いに固まるのは、新鮮な光景だ。
どんな表情でも様になるなと思いながら、希実は大きく頷いた。
「はい。ただ、仕事は続けたいです。それから安斎さんと別れた後、一人で暮らしていけるよう別の就職先を手配していただければ……」
「佐藤さんの人生の一時を買わせていただくのですから、相応の礼はしますよ。貴女が望むなら、不動産や株だって存分に――」
「分不相応なものは結構です。それに申し上げた通り、私にも利益と打算があるんです。ですから過分な対価は必要ありません」
「……随分、無欲なんですね」
訝しげに彼が双眸を細める。その瞳には、希実の真意を窺う色があった。