契約結婚、またの名を執愛~身も心も愛し尽くされました~
――変に思われている? 金銭を要求するのが普通だったのかな……だけど私もこの話に乗れば助かるんだもの。厚顔無恥に報酬なんて受け取れないよ……
「欲ならあります。でも身を滅ぼすほど望むつもりはありません。私は静かで穏やかな生活を自分の力で送ることこそ価値があると思っているだけです。いくら裕福でも、満たされないことってありますよね?」
これは紛れもない本心だ。
多くを望むと罰が当たりそうな怖さもある。
とことん小市民な希実は、懸命に言葉を選んだ。
「ですから、無欲ではないんです。どちらかと言えば強欲かもしれません。……ぁ、後だしで要求する気はないので、そこは信じてください!」
ひょっとしたら東雲は警戒しているのかもしれない。
割り切った恋人関係にあった女性が後々契約条件を変更しようとして困った、という話を彼がしていたのを思い出し、希実は慌てて両手を顔の前で振った。
「欲ならあります。でも身を滅ぼすほど望むつもりはありません。私は静かで穏やかな生活を自分の力で送ることこそ価値があると思っているだけです。いくら裕福でも、満たされないことってありますよね?」
これは紛れもない本心だ。
多くを望むと罰が当たりそうな怖さもある。
とことん小市民な希実は、懸命に言葉を選んだ。
「ですから、無欲ではないんです。どちらかと言えば強欲かもしれません。……ぁ、後だしで要求する気はないので、そこは信じてください!」
ひょっとしたら東雲は警戒しているのかもしれない。
割り切った恋人関係にあった女性が後々契約条件を変更しようとして困った、という話を彼がしていたのを思い出し、希実は慌てて両手を顔の前で振った。