契約結婚、またの名を執愛~身も心も愛し尽くされました~
どこか自嘲気味にこぼし、希実は大きく嘆息した。
ずっと胸の中に重く堆積していたものが、いくらか解消している。
息苦しさがほんのり癒されていた。
――安斎さんに当たるなんて、迷惑をかけてしまったわ……せめて涙は見せないようにしよう。
これ以上情けない真似はしたくない。
希実が精神を落ち着かせようとしている間に、料理がテーブルへ並べられた。
まずは前菜の盛り合わせから。
四角い皿にアボカドを生ハムで巻き揚げたもの、マグロのカルパッチョ、チーズなどが色鮮やかに乗せられていた。
他にも何やらアスパラの料理や、キノコのマリネらしきものもある。
どれも食材自体には馴染みがあるが、希実には味の想像がつかない品ばかりだ。
一言で言うなら、『美味しそう』。
食欲をそそる香りが鼻腔を擽り、目を楽しませてくれる華やかな色彩が涙を完全に引っ込ませた。
現金なものである。
高級ホテルのレストラン(しかも個室)なんて、いかにも格式が高く気後れしそうだが、ちらっと視線を走らせれば幸いにも創作料理なのか膨大なカトラリーは用意されておらず、希実は安堵した。
ずっと胸の中に重く堆積していたものが、いくらか解消している。
息苦しさがほんのり癒されていた。
――安斎さんに当たるなんて、迷惑をかけてしまったわ……せめて涙は見せないようにしよう。
これ以上情けない真似はしたくない。
希実が精神を落ち着かせようとしている間に、料理がテーブルへ並べられた。
まずは前菜の盛り合わせから。
四角い皿にアボカドを生ハムで巻き揚げたもの、マグロのカルパッチョ、チーズなどが色鮮やかに乗せられていた。
他にも何やらアスパラの料理や、キノコのマリネらしきものもある。
どれも食材自体には馴染みがあるが、希実には味の想像がつかない品ばかりだ。
一言で言うなら、『美味しそう』。
食欲をそそる香りが鼻腔を擽り、目を楽しませてくれる華やかな色彩が涙を完全に引っ込ませた。
現金なものである。
高級ホテルのレストラン(しかも個室)なんて、いかにも格式が高く気後れしそうだが、ちらっと視線を走らせれば幸いにも創作料理なのか膨大なカトラリーは用意されておらず、希実は安堵した。