塩系男子のステルス溺愛 クールで無愛想な義兄が、なぜか私にだけ甘すぎる件

「天海って高等部の天海たすく様と同じ苗字だね」
「転校生だし無関係っしょ。遠い遠い親戚とかもありえんって」
「だよねー。見るからに暗そう……」

 席につくと、隣の女子は面倒見がよくて、色々教えてくれて少し安心した。

「私ナナ。呼び捨てでいいよ。ひなたって名前かわいいね。天海って苗字珍しくない? 高等部にもいるけど親戚とかじゃないよね?」

 勝手に義妹ですなんてバラしたら、たすくの恥になるに決まってる。それにあの様子では親の再婚も周りに話すことはなさそうだ。
 そもそも思春期の男女がいきなり義兄妹になっても打ち解けられるはずもない。
 ひなたがもう少し陽気で物おじしないタイプであれば会話くらいはできるかもしれないけれど、時たま顔を合わせても小さな声で「おはようございます」「こんにちは」くらいしか言えない。
 別に見下されてるとは思わないけれど、たすくからしたら、突然視界に入ってきた異物でしかない。家族ですなんて厚かましくって思えない。
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