塩系男子のステルス溺愛 クールで無愛想な義兄が、なぜか私にだけ甘すぎる件

 アパートの惨状を思い出し、この世の不幸を一身に背負ったような気になるけれど、幸い怪我もしていないし、一番の財産のTABOTは無事だった。
 
「座れよ」

 高そうなソファのはしっこにちんまりと座る。せめて、今日くらいジャージじゃなきゃよかったと思ったけれど、急にアパートが居住不可になるなんてお釈迦様でもわかるまい。

「あの……なんとかすぐに出ていけるよう頑張るので……ずっと居座ったりしないので」

 通帳には引っ越せるほどのお金はなく、新たにバイトも探さないとまずい。
 
 ──お母さんには頼れない、これからどうしたらいいんだろう。

「ずっといればいいだろ。身内みたいなもんなんだし」
「いやそれはさすがにダメです」
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