塩系男子のステルス溺愛 クールで無愛想な義兄が、なぜか私にだけ甘すぎる件
 たすくの実家から帰って何日か経ってから、ひなたはバイト探しに奔走していた。たすくは家賃や光熱費を頑として受け取らない。

「でもおじさんが借りている部屋はたすく君が勉強をするために借りたんだし、私を住まわすためじゃないよ」
「親父もヒナになんにもしてやれなかったって、気にしてるからいいんだよ。それに将来また会うかもだし」
「え……?」
「お前にとっても実家みたいなもんじゃん、将来も……いやなんでもない」

 たすくが言いかけてやめた言葉はわからなかったが、耳が少し赤くなっている気がした。

 その気持ちは嬉しい。けれど一方的に貰うだけの関係はいつか歪んでしまう。せめてもしもたすくがひなたと別れたりして出ていく時のために、お金を積み立てておこう。
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