塩系男子のステルス溺愛 クールで無愛想な義兄が、なぜか私にだけ甘すぎる件
 ナナがうっとりとたすくの凄さを語るが、その陶酔っぷりから、皆のアイドルというのは大げさではないことがわかった。

「はぁ……」

 休み時間の遊びのはずだが、ちょっと見ただけで運動神経までいいのがわかる。

「あっ、シュート決めた! サッカー部なのにバスケ部よりうまいなんて」

 うっとりと見つめているのはナナだけではなく、気づけばクラスの女子が窓辺に集まっていた。
 みんながみんな素敵だと思うものがひなたは苦手だった。
 自分はたすくを見ても素直に憧れたりはできない。凄いとは思っても、劣等感を刺激されるだけだった。世界の不平等さはもう十分知っているから、これ以上は勘弁してほしい。

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