塩系男子のステルス溺愛 クールで無愛想な義兄が、なぜか私にだけ甘すぎる件
 新しい学校は、前の学校と勉強の速度が全然違っていて、追いつくのが大変だった。もとから人より覚えも悪いし、全体的にどんくさい。

 だから通学のバスの中で、先生に渡された参考書を読んでいたが、後ろにいるサラリーマンがやけに体を密着させてくる。嫌な予感がした。早く着くように耐えていると、スカートの中に手が伸びてきた。

 ──ち、痴漢だ。

 恐怖に体が凍り付く。骨ばった手が、太ももを上下する。
 声を出そうにも、喉が詰まったみたいに出ない。

 ──嫌だ、嫌だ。
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