塩系男子のステルス溺愛 クールで無愛想な義兄が、なぜか私にだけ甘すぎる件

 頭がパニックになってくる。体の震えが止まらない。どうして体が動かないのか、声も出ないのか。自分はいつもこうだ。
 嫌なことを嫌だって言えたらいいのにできない。

 次のバス停が来たら降りよう。あと少し、あと少し。
 それなのに、今日に限って道が混んでいて、ちっとも進まない。吐き気がしてくる。
 男の手がひなたの下着の中にまで入ろうとしているのを感じる──

「なにしてんだよ、中学生相手に発情してんじゃねぇよ。クズ野郎」
 
 突然バスの後ろの方から、声がしてずんずんと人をかき分けて誰かがひなたと痴漢の間に入った。

「ななな、なんだ君は」
「てめー触ってただろうが。この手で」

 痴漢の手がひねり上げられた時、声の主がたすくだと気づいた。

 
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