塩系男子のステルス溺愛 クールで無愛想な義兄が、なぜか私にだけ甘すぎる件

 別にたすくとかお義父さんが、なにか変なことをするとは思わないけれど、そういう気遣いを母親からも受けたことがないので素直に感動した。

 たまたま出くわした痴漢をたすくがあっさり撃退したことにも。
 いつもクールなたすくが本気で怒っている声は怖かった。でも心強かった。誰かが自分のためにあんなふうに怒ってくれたことはない。
 たすくは、叱られたのが原因でひなたが泣いたと思ったようだけれど、そうではない。嫌なことは嫌だと言えという極当たり前の言葉が、理不尽に耐えてきたひなたの心に突き刺さったのだ。

 いつだって理不尽や嫌なことは、一人で我慢して耐えるべきことだった。
< 42 / 311 >

この作品をシェア

pagetop