塩系男子のステルス溺愛 クールで無愛想な義兄が、なぜか私にだけ甘すぎる件
 痴漢に遭遇した日からまともに話していない。お礼くらい言わねばと思いつつ居候気分のまま気配を消して暮らしているのもあって、なかなか会うことがなかった。

「お前、なんも悪くないのに謝んなよな」

 視線をスマホに向けたままたすくが言った。少々行儀が悪い仕草でも、完璧な美形がやるとサマになるというべきか、絵として映えるから世の中不公平だ。

「あの皮膚のブツブツ、病院行ってんのか」
「……」

 過去母親の恋人から性被害に遭ってから、男の人に触れられると蕁麻疹が出るようになっていた。もっとも、触れる機会などめったにないからそう頻繁というわけでもないから医者にかかったことはない。
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