前世恋人だった副社長が、甘すぎる
ふと見上げると、怜士さんと至近距離で視線がぶつかった。
切れ長で鋭い瞳は、私を甘く絡め取る。
私が着替えている間に、髪もセットし直したのだろうか、さらっとエアコンの風に揺れていた。
こうやって見ると、怜士さんはかっこいいと改めて思う。
記憶の中のマルクと雰囲気は似ているが、全然違う……
そして私はかつてマルクに恋をしたが、今は怜士さんしか見えないのだ。
「穂花お嬢様、行きますよ」
耳元で甘く怜士さんが言う。
「穂花お嬢様が俺の結婚相手だって、みんなに分かってもらわないと」
「も、もう!何を言われるんですか!?」
前世では同い年だった彼と私、今世では彼のほうが歳上だ。
彼と私の経験値も、きっとすごく違うのだろう。
だって怜士さんはこうやって、いつも私を真っ赤にするのだから。自分は涼しい顔をして。
「そうだろ、な?」
また耳元で甘い声で囁かれ、お腹の奥がきゅーっと熱を持つのだった。