前世恋人だった副社長が、甘すぎる


「いえ……」


真っ赤になりながらかろうじて返事をした先輩に、怜士さんは相変わらず爽やかに告げた。


「今日は会食でレストランをお借りします。

迷惑をかけ続けて申し訳ありません」


あまりに下手に出る怜士さんに違和感を感じたが、やっぱり彼は彼でしかなかったのだ。

頬を染める先輩に、言い放った。


「菊川さんと結婚式を挙げる際には、チャペルもお借りします」

「……え!?」


先輩は我に返って驚いて、私と怜士さんを見比べる。

だから慌てて

「ち、違うんです!!」

否定したが、これがまた怜士さんの癪に触ったのだろう。

怜士さんはぞっとするほど甘い目で私を見て、頬に手を当てる。

そのまま親指で、ゆっくり唇を撫でた。


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