前世恋人だった副社長が、甘すぎる




オフィスビルの外に出ると、桜が満開だった。

この桜の下を、綺麗だねと怜士さんと歩きたかった。

怜士さんは寒がる私にコートをかけてくれたりして、そして手をぎゅっと握って……私の大好きなあの笑顔で、穂花好きだよ、なんて言ってくれるんだ。

そんな怜士さんは、私の側にはもういない。

自分から選んだ道なのに……



ようやく涙が流れていた。

ここまで気持ちが大きくなっているなんて思ってもいなかった。

人間に空気があるように、魚に水があるように、怜士さんがいる、いつの間にかそれが当然になっていた。

怜士さん、大好きです。いつか迎えに来てくださると、信じていてもいいですか……?



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