前世恋人だった副社長が、甘すぎる
こうやって、極力怜士さんのことを考えないようにして仕事をする。
もちろん怜士さんのことをすぐに思い出してしまうが、フロントの仕事が忙しいため泣かずには済んだ。
昼休みになるといつものように泉と食事をする。
泉は現在レストランスタッフとして働いているが、私が怜士さんと訪れた時は丁度休みを取っていたらしい。
だけど、私が副社長とレストランを訪れ、バイオリンを弾いた一部始終はもちろん知っていた。
そのことについて、それ以上突っ込んでこないのが不思議ではあった。
おまけに、怜士さんのことも触れないようにしているのは明らかだったが……昨日の泉は、怜士さんを副社長とは思っていないようだった。
泉は現在何をどこまで知っているのか不安だったが、敢えて聞かないようにした。
これ以上泉に気を遣わせては申し訳ないと思ったからだ。