前世恋人だった副社長が、甘すぎる
そんな私を見て、川原さんは同情するかのように笑いかけ、告げた。
「穂花ちゃんも色々辛いでしょ?
もし僕で良かったら、話を聞くよ」
「……え?」
「仕事が終わるまで待ってるから。
僕、穂花ちゃんと食事に行く予約、入れたよ?」
そう言って、綺麗な文字で電話番号の書かれた紙を渡される。
どぎまぎしながらそれを受け取り、混乱する頭で何とか礼を言った。
川原さんは去り際にも、
「またあとでね」
なんて王子様スマイルで手を振ってくれる。
そして、それを見ていたフロントスタッフが黙っているわけがないのだ。
私は、あの男性は誰だとか、どういう知り合いだとか質問責めに遭ったが……説明しようとするとどうしても怜士さんの話もしないといけなくなり、質問をはぐらかすしかなかった。