前世恋人だった副社長が、甘すぎる

きっと、川原さんは私が怜士さんのことでショックを受けているから、慰めてくれているのだろう。

庶民では考えられないほどの高貴な慰めかただが、川原さんの気持ちが素直に嬉しいと思った。

だから私も、つまらない顔をせず楽しまなきゃ。


「ありがとうございます、すごく嬉しいです」


そう言うと、やっぱり笑ってくれる川原さん。

そんな川原さんに怜士さんを重ね、今隣にいるのが怜士さんだったらどんなに幸せかと思ってしまった。




今世では庶民の私は、もちろんクラシックコンサートの趣味なんてない。

むしろ、イケメンボーカルのロックバンドなんかを好んで追いかけていた。

だからこのクラシックコンサートは、今世初体験なのだ。

あまりも挙動不審にすると川原さんに幻滅されそうだから大人しくしていたが、このホール豪華だなぁとか広いなあとか感激しっぱなしだった。

そして、演奏が始まるとその世界に引き込まれつつも懐かしく思った。


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