前世恋人だった副社長が、甘すぎる
ソファーに座る私を前に、怜士さんはテーブルの上に置いてあるナイフを取り出した。
そして、慣れた手つきでフルーツを食べられる大きさに切ってくれる。
もちろんルームサービスに頼んだら切ってもらえるのだが、怜士さんがしてくれるのが嬉しかった。
「お金持ちなのに、料理も上手なんですね」
フルーツは、すでに大半が綺麗にカットされ、皿に盛られている。
そしてパイナップルをカットしながら、怜士さんは静かに告げた。
「……俺は前世、愛する人に料理を作るのが好きだったから」
ドキンと胸が鳴る。
怜士さんはなおもフルーツをカットしながら、静かに話す。
「話しても俺の頭が狂っていると言われるから、誰にも言わなかった。
二十歳になった時、毎日夢に見るようになったんだ。
俺がその貧しい男で、身分違いの女性に恋をしていた」