前世恋人だった副社長が、甘すぎる


しゅんとした副社長は、なんだか上目遣いで私に言う。


「一部屋使っていない部屋があるから、穂花はそこにいたらいい。

……大丈夫だ、穂花のことは襲わないから」


いや、全然信用できないんですが。


「このまま放っておいたら、穂花は死んでしまうかもしれないから……」

「死にません!」


私は副社長の言葉を遮っていた。

そして、真っ赤な顔で彼を睨み上げる。


「死にませんから!」


こうやって元気に見せながらも、心の中は震えている。

前世の私が死んだ後の彼を知らない。

彼はずっと孤独で、自分を責めたのだろう。

今だって、生まれ変わった私を前に、不安で不安で仕方がないのかもしれない。

< 61 / 258 >

この作品をシェア

pagetop