前世恋人だった副社長が、甘すぎる


こうやって、無理矢理怜士さんの車で出勤させられた私は、真っ赤になりながらビルに入る。というのも、怜士さんはやはり、私の背中に手を添えてエスコートして歩くからだ。

これでは怪しい関係だということがバレバレだ。

人々はこんな私たちを見て見ぬふりをして、通り過ぎると噂話が始まるのがよく分かった。

耐えかねた私は、副社長室に入った瞬間言い放った。


「会社で私に触れるの、禁止!」


だけどここはパワハラ副社長だ。

腕を組み、口角を上げて挑むように言う。


「俺が副社長だ。俺は会社の法律だ」


意味が分からない、そして、この考え方を非常にまずく思う。

怜士さんは中世の農民の生まれ変わりというより、昭和のパワハラオヤジの生まれ変わりだろうかと疑うほどに。



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