前世恋人だった副社長が、甘すぎる




給湯室で怜士さんのお茶を淹れる。

前世のことを思い出させるような紅茶ではなく、敢えて緑茶と和菓子を選んでやる。

だが、上品な和菓子はなく、スーパーで大袋百円で売られているような煎餅があったため、それを皿に置いた。

そんな私を周りの人はじろじろと見る。

そして、しびれを切らしたようにある女性社員が教えてくれたのだ。


「そんなお菓子を出したら、副社長は激怒しますよ?」



やはりそうか。こんな庶民的な煎餅を出したら、ふざけるなと怜士さんは怒るのか。

だけどその怒っているところを見てみたくて、いや、深い意味はなくただ興味本位で見てみたくて、この煎餅を出してみようかとも思う。

だけどこの女性社員にそんなことを言えるはずもなく、

「そうですよね。

教えてくださって、ありがとうございました!」

礼を言った。

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