前世恋人だった副社長が、甘すぎる
私はわざと洋風のお盆に緑茶を乗せ、その横に煎餅を置いた。
そして、怜士さんはどんな反応をするだろうとニヤニヤしながら部屋に戻ったのだ。
だが……怜士さんのほうが、ずっと上手だった。
「穂花、遅かったじゃないか。
変な男に声をかけられたのか?」
なんて私に駆け寄る怜士さん。
私はそれを敢えてスルーし、笑顔で
「お茶の準備が出来ました」
ちぐはぐお茶セットを差し出すが……
「緑茶と煎餅か。
嬉しいよ、ありがとう」
この人は、本気でそんなことを思っているのか。
そして、二十枚百円ほどの安い煎餅を美味しそうに食べ始める。
こんな怜士さんを見て、私のほうが申し訳なく思ってしまったのだ。
そしてお決まりのように私にも食べさせようとしたことは、言うまでもない。