前世恋人だった副社長が、甘すぎる

だけど、怜士さんは笑顔で言い放ったのだ。


「悪い悪い、手土産なら田川が買いに行ってるよ」

「……え?」

「穂花に行かせるなんて、残酷だろ?」


いや、残酷なのは怜士さんです、なんて言葉がでかかった。

いずれにせよ、ろくに秘書の仕事もしないで怜士さんの隣にいるのはいけないと思う。

社員から今は同情されているが、そのうち白い目で見られるだろう。

だから私は怜士さんに近付いて告げる。


「今度からは私が行きます。

私は仕事もせずに会社にいるのが辛いんです」


そして身を寄せ、その手をそっと握った。

怜士にさんに近付くたび、触れるたび、いちいち胸がうるさい。

私は人から蔑まれるこの暴君にこんなにも惹かれているんだ。


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